大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)606 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人水谷昭の上告理由第一点について。

論旨は、原判決は弁論主義に違背するという。しかし、甲乙間に或る法律行為が

あつた旨の当事者の主張があつた場合、裁判所が甲の代理人と乙との間にその法律

行為があつたと認定しても、弁論主義に反するものでないことは、当裁判所の判例

(昭和三一年(オ)第七六四号同三三年七月八日第三小法廷判決民集一二巻一一号

一七四〇頁参照)の趣旨とするところである。しからば、原判決(その引用する第

一審判決を含む、以下同じ)には、被上告人の主張しない事項につき事実認定をし

たとの所論違法はなく、論旨は採用できない。

同第二点について。

論旨は、原判決が代理権付与につき事実認定を欠くと主張するけれども、原審が

上告人の代理人である妻Dが本件借地権譲渡を承諾した旨認定していることは、判

文上明らかである。論旨は原判決を正解せず、前提を欠くものであつて、採用でき

ない。

同第三点について。

記録によれば、弁護士樋口俊美は所論訴訟行為をなすに必要な授権を受けていた

ことが認められるから、原判決には所論の違法は認められない。所論は前提を欠き、

採用できない。

同第四点について。

所論の本件借地権譲渡の承諾に関する原審の事実認定は、その挙示する証拠によ

り首肯でき、原判決には所論違法は認められない。所論は、ひつきよう原審の裁量

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に属する証拠の取捨判断、事実認定を非難するものであつて、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 松 田 二 郎

裁判官斎藤朔郎は死亡につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 長 部 謹 吾

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